休暇の過ごし方の違い

 海外からのゲストをたくさん迎えて過ごしたGWが終わり、ほっとするのも束の間、農作業に大忙しの毎日です。この時期我々は完全に「オン」モードですが、今回はあえて「オフ」の話をしてみます。

 

 GWに遊びに来てくれたゲストは皆さん「オフ」で北海道に来ていたわけですが、北海道旅行と言っても過ごし方は様々だな、という印象を受けました。例えば、広い北海道を旅行するといえば定番はレンタカーでの周遊。前職の同期は、4泊5日かけて車で北海道をぐるっと一周していました。移動時間を考慮すると4泊5日は長いとみるか、短いとみるか?!

 また、インドネシアから来たホストファミリーは、2泊3日を充実させるべく移動時間を節約するため場所を旭川周辺に限定して周辺の見所を一気に周りました。

 最後に特筆すべきは、イタリアから来た大学生です。6泊7日の旅行のうち、4泊を国立公園である旭岳で過ごしていました。旭岳は標高1000m以上に位置する温泉街(リゾートといった趣)で、公共交通機関は旭川とを結ぶ1日に3本のバスのみです。彼らは4泊5日毎日ハイキングし、温泉に浸かり、ゆっくりと休養し、非常にのんびりとリラックスした時間を過ごしたそうです。なんて贅沢な過ごし方なんだろう!と思うと同時に、自分が現役大学生だった時を思うとこんなにのんびりとした旅行は計画できなかっただろうなと思います。私が彼らからこの旅行案を聞いた時、「せっかく北海道に来たのだし、時間も1週間あるなら、せめて周辺の富良野や美瑛に行ってみたら?」と思わず提案してしまったのですが、こんな提案は不要だったと感じました。それくらい彼らは旭岳を満喫していたのですから!

 

 こういう余裕のある旅行を計画できるのは、子供の頃から休暇の過ごし方として身に着いた文化ゆえなのでしょう。事実、彼らのうちのひとりジョヴァンニ君は子供の頃から夏になると、家族で山岳地方に行き2週間程貸別荘を借りて過ごしていたそうです。それも、毎年同じ場所で、2週間毎日ハイキングをして過ごすのだといいます。そして休暇が終わる頃に、来年の予約をして帰るのだそうです。一度、休暇を過ごす場所を変えたそうですが、その理由は観光地化が進み観光客が増えたから、という理由だそうです。

 

 休暇とはそういうものだ、とすると4泊5日の旭岳滞在は短いくらいだったのかもしれません。彼らは現在大阪に留学しており少し都会疲れしたということで、自然豊かな場所で多いにリフレッシュできたことでしょう。彼らならきっと2週間でも楽しむことができたかもしれませんね!イタリアにも温泉はあるそうですが高級だということで、日本のように気軽には入れないということでした。2週間、温泉とハイキングの生活はまるで湯治客のようですね。私は旭岳を3~4回訪れていますが、いずれも1泊しかしたことなく、彼らが歩いたハイキングコースなど一度も辿ったことがありません。その場所を感じるには、思い切って余裕を持って滞在しないと味わうことができないことも多いのでしょう。

 

 彼らの休暇の過ごし方からはたくさん学ぶことがありました。と同時に、私たちはイタリアのアグリツーリズモや、イギリスのB&Bやセルフケータリングの施設を訪ねてきたはずなのに、本質的には休暇の文化を理解できていなかったのかもしれないと感じました。確かに、いずれの施設も3泊と駆け足で巡り、毎日それなりに観光していたわけですから・・・。頭では理解できても実体験を伴って施設を利用しないとなかなか文化は理解できないものですね。2週間~4週間、どこか素敵な場所で滞在できる日が来るのはいつ来るのでしょう・・・。そして、いつかただの農村でも長期間滞在できるポテンシャルがあるのかどうか(つまり我が町)探っていきたいと思います。  (emi)