イタリア(その他)

15日目: 2010年12月14日  「トスカーナの雪景色」 

 3泊したアグリツーリズモを離れる日、快晴の空の下雪景色が広がっていました。これには焦りました。今日はレンタカー返却の日です。スタッドレスタイヤもチェーンもありませんが、イタリア人は用意周到ではないから大丈夫、ということです・・・。少しでも溶けるよう日中まで待ち、日陰に細心の注意を払うこと40km、1時間。5日ぶりに無事レンタカーを返却しました。レンタカーの料金に関して気になる点がありましたが交渉する余力がありませんでした。料金は6日分で372€(42081円)でした。(実際には5日しか使用しなかったものの6日間で借りていたことに加え、ガソリンを補充しなかったためその分の支払いが高くつきました。またナビ代金は1日13€で日数分請求されます。オールインクルーシブの日本のレンタカーとはだいぶ異なります。エアコンがない車もあるくらいですから借りる際には条件を確認しなくてはなりません。)はじめての海外ドライブはスリルでしたが、車がなくては絶対に辿りつけない場所に連れて行ってくれました。レンタカーと運転手に感謝です。

 車を返却して今日はアレッツォの街中に一泊します。歩きながら見る町は、一昨日車から見た町と受ける印象がだいぶ異なりました。穏やかな町です。イタリアでジェラートを食べたのはこの1回だけでしたがおいしかったです。車を返してほっとしたのか疲れがどっとでて早々に就寝しました。明日、明後日と移動日が続く前にしっかり休息です。

16日目: 2010年12月15日 「レッジョエミリアに見るイタリア地域の個性」

 6日間滞在したアレッツォ県を離れ、列車で約2時間半北上しレッジョエミリアを目指します。特急列車は6席で部屋のようにドアがついているコンパートメントタイプです。この席に定員人数を上回る8名がいたため大変賑やかな車内でした。インド系のお母さんが席を予約せずに2人の子供を連れていたのですが、当のお母さんは大音量でインド音楽を流しながらぺちゃくちゃ電話で話し続け子供はほったらかし。元気溢れる2人の子供は同室に居合わせたイタリア人夫婦の膝の上に。彼らは本当に可愛がっていました。イタリアは子供に寛容な国と聞いていましたが本当です。

 レッジョエミリア駅周辺は中華系のお店が多く驚きましたが、中心部に向け歩みを進めると歴史ある教会や建物が立ち並ぶ広場に出ます。中世の町が今に残るイタリアでは鉄道の開通は歴史が浅いため、日本のように駅周辺が中心部というわけではありません。レッジョエミリアという地域は観光で立ち寄る場所としてはメジャーではないかもしれません。しかしここは農産、畜産品の豊かなエミリア=ロマーニャ地方に位置し、特にパルミジャーノ・レッジャーノ(チーズ。写真は貯蔵施設)の産地として有名です。また、芸術教育を主体としながら想像力を育む幼児教育で世界から注目されている町でもあるほか、ファッションブランドMax Maraの本社があります。グローバル化の流れに反し、イタリア名門企業の多くは創業地の地方都市で同族経営を貫き地方経済を支えています。レッジョエミリアという小さな町でイタリアの地域の個性を様々な角度から見ることができそうです。

17日目: 2010年12月16日  「醸造所見学」

 レッジョエミリアを訪れたのも人のご縁に恵まれたからです。昨夜は久しぶりの日本食をご馳走になった上に今日は待望のパルミジャーノ・レッジャーノの貯蔵施設兼販売店とバルサミコ酢の醸造施設をご案内頂きました。運転、通訳、食事の支度までなにからなにまでお世話になってしまい本当に有難うございました。

 クリスマス前とありパルミジャーノのお店はギフトを求める人で賑わっています。お店の隣にはチーズの貯蔵施設がある他、牛などの家畜もいて訪れる人を楽しませてくれます。貯蔵施設には高い天井までぎっしりとチーズが積み上げられており壮観な眺めです。原産地名称保護を意味する「DOP」の文字が刻まれており、この刻印を以ってはじめて「パルミジャーノ・レッジャーノ」を名乗れるということです。店内ではフレッシュリコッタチーズを試食させて頂きました。はちみつをかけて食べるとそれはもう最高です。

 バルサミコ酢の醸造施設では飛び込みにも関わらず1時間近くもガイドして頂き理解を深めることができました。ワインとバルサミコ酢はどちらもブドウを発酵させたものです。この地域ではアルコールが飲めない人がワインの代わりにスプーン一匙を嗜むような最上級のバルサミコ酢があると聞きました。これはトラディショナルと言われ25年以上発酵と蒸発を繰り返した最上級品です。厳しい規格を満たしたものがDOP原産地名称保護の認定を受けることができます。ワインとバルサミコ酢では性格が異なり、各々適しているブドウの品種も真反対、醸造施設はワインは温度変化が少ない地下が適している一方で、バルサミコは温度変化を好む性質から建物の最上階(写真は3階の様子)に作られます。恥ずかしながらバルサミコ酢は調味料という認識しかなかったため、こんなにも奥深いものだと知り感動しました。

 素晴らしい食の体験をしたレッジョエミリアを離れ、夜行バスに乗るため列車でミラノへ移動します。旅に出てから一番大きな街ミラノの滞在はわずか4時間。ちょっともったいなかったかなと思います。ドゥオーモを横目に通り過ぎ、買い物(軽装備すぎた夫のジャケット)と夕食を済ませ、いざ乗り込んだのは極寒の夜行バス・・・。厳しい旅路になりました。国境の検問で起こされた後ようやく暖房がきいてきてウトウトとしていたところ、これはモナコに違いない、と確信できるネオンが見えてきました。楽しかったイタリアの旅が終わり次に進んでいるんだと実感した瞬間でした。 

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