イギリス(ランセストンファーム編)

46日目: 2011年1月14日 「Luxury in a farm」

 パリからずっと一緒だったエリザベス一家と別れを惜しみ、今日から約10日間は2人だけで行動することになります。目的は「ファームステイ」!農家が経営しているB&Bやセルフケータリングの施設を3泊ずつ3箇所訪ねた後に、私が以前から大変お世話になっているB&Bである「Lowe Farm」を訪ね5泊させてもらうことになっています。

 まず1箇所目に訪ねたB&Bは「Launceston Farm」です。ロンドンからバスで約2時間南西のソールズベリーでレンタカーを借りて約35km走りました。イタリアに続き海外での2回目の運転ですが、イギリスは日本と同じ左車線、右ハンドルの国ということで比較的スムーズに辿り着きました。

 さて1箇所目のこのB&Bは期待をはるかに上回る素晴らしい場所でした。古い建物を改築した施設は趣を残しつつもモダンに改装されており各客室ごとに個性があります。オーナーのサラさんはフレンドリーで料理上手、到着後には紅茶と手作りのケーキでもてなしてくれました。この日の夕食はサラさんの料理を頂きましたが、とっても美味しかったです。(鹿肉のストロガノフでした。)このB&Bはハネムーンで行くなら是非に、とおすすめしてもらった場所ですが、田舎で農家が経営しているとは思えない程(失礼)、洗練されたラグジュアリーとも言える空間でした。この日のもう1組のゲストはロンドンから来ていた若いカップルで、誕生日のサプライズ旅行としてのデスティネーションでした。「ファームステイ」の価値観が変わる体験をしました。ちなみに価格ですが、部屋やシーズンによって変動しますが、最安値で1泊朝食付きプランが2人で£80(£1が140円と計算すると11,000円)です。ポンドの変動により日本円で評価するのは難しいですが、少なくとも私たちは円高の恩恵を受けてこれはリーズナブルだと感じました。朝食のボリュームも素晴らしいです。朝食については次をご覧ください。

47日目: 2011年1月15日 「イングリッシュブレックファスト」 

 イギリスで楽しみにしていたものと言えば、「ボリュームたっぷりの朝食」です!大陸のヨーロッパでは朝食には甘いものとコーヒー、と物足りませんでしたが、島国のイギリスは違います。まずは、ジュース、シリアル、ヨーグルト、ドライフルーツ、コーヒーまたは紅茶を自由にとった後で、メインプレートがサーブされます。これには卵料理、ベーコン、ソーセージ、焼き野菜(トマト、マッシュルーム)にトーストが添えられています。Launceston Farmでは前日までにメインプレートの希望を伝えておくシステムになっています。内容も充実しており、フレッシュスムージーやフレンチトーストも選べるようになっている点は他のB&Bとは違いました。(写真です)ブランチに相当するボリュームで大満足です。

 その後はレンタカーで周辺散策に出かけます。私たちの目的は「ファームショップ」巡りです。イギリスの田舎には農家が営む直売所がたくさんありそれぞれが個性的です。オーナーのサラさんから情報収集をしました。彼女はゲストがこの場所で最大限楽しむための情報提供を惜しみません。各種地図やパンフレットが用意されている他、各部屋にはジャンルごとに「5 of the best!!!」(行くべき5か所)が書かれた案内ツールが常設されています。例えば、オススメの買い物スポット5か所、散歩スポット5か所、パブ5か所、ファームショップ5か所、などです。これは大変参考になりました。

 あるファームショップを訪ね、そこでオススメされたガーデンセンターへ行ってみたところ、思わぬ出会いが待っていました。現地在住のゆうこさんとジョンさんご夫婦です。観光客のめったにいないような場所にたまたま日本人がいる、ということで声をかけて頂きました。その後、風光明媚なゴールドヒルや、アロットメントというイギリスの市民農園を案内頂きました。さらに明日は日曜日、1日をかけて案内してくださるという嬉しいお申し出を有難く受けさせて頂くことにしました。予定をギチギチに詰めていなかった旅行だからこそこんな出会いと偶然性を楽しむことができたわけです。

48日目: 2011年1月16日 「pub crawl(はしご酒)」

 この日は終日ゆうこさんとジョンさんご夫婦のアテンドで海辺の町スワネージ近辺を散策しました。本日のテーマは「pub crawl(はしご酒)」です。crawlとはハイハイするという動詞で、パブからパブへちどり足になる、というようなニュアンスでしょうか。日本語と英語、表現は違っても理解できるから面白いです。

 さて、「はしご酒」と言っても、パブはイギリスの文化でありお上品です、笑。パブは日本の飲み屋とは違って、日中から営業しておりランチやお茶を楽しむ人でも賑わっています。また生ビールといっても、某大手のビールが主流の日本とは違って、地ビールが豊富なイギリスでは、その土地のパブならではのこだわりのラインナップが揃っています。この日はおふたりオススメのパブなど計5軒を訪ねました。近所で発掘された化石を展示した博物館を併設したパブや、この地域の地ビール発祥のパブ、500年近くの伝統のあるパブなど、それぞれがとても個性的です。ちなみに、パブ屋内は禁煙で、だいたい犬連れも可能なので、大好きなペットと楽しむことができます。おふたりの愛犬ハギス君とも一緒でした。

 さて、今日は日曜日、つまり「サンデーロースト」の日です。これはイギリスの伝統的な日曜日に頂く食事でローストした肉に、ジャガイモ、ヨークシャープディング、野菜を付けあわせて、グレイビーソースをかけて頂きます。お昼時に立ち寄ったパブでローストポークを頂きました。私たちはイギリスで3回の日曜日を過ごしましたが、1回目はエリザベス邸でローストチキン、2回目の今回はパブでローストポーク、3回目はLowe Farmでローストビーフ、と一通りの肉のローストを経験したことになります。

 この日はもちろんパブだけでなく、ナショナルトラストに登録されているコーフ城、岬の先に白い岩が立ち並ぶ珍しい地形であるオールドハリーロックなどを見せて頂きました。夏にはこのあたりを保存鉄道である蒸気機関車が走るそうです。海辺の町ですから、夏は大勢の人で賑わっていることでしょう。おふたりと出会えたことでこんな素敵な一日を過ごすことができました。本当にありがとうございました。

49日目: 2011年1月17日 「インタビュー」

 3泊したLaunceston Farmを離れる日です。この素晴らしいB&Bを紹介してくださった地元で市民メディアTransition Visionを運営しているジョンさんとお会いすることになっていました。2007年夏にお会いした以来です。当時はFarmradioという農業・農村にフォーカスしたメディアを運営されており、こちらの話を聞きたくて伺ったのですが、3年半ぶりにお会いする今回は独立し、引き続き地元に根差した市民メディアでご活躍されていました。午前中にLaunceston Farmで農業分野の責任者をしているオーナーのサラさんの息子ジミーさんによるファームツアーが行われたので、ジョンさんもカメラを回しながら参加し、その後にインタビューをというお申し出がありました。正直カメラの前で喋るのは気が進みませんが、お世話になった分少しでもお役に立てればという気持ちでお引き受けしました。ファームツアーの映像とインタビューの様子はこちらから見ることができます。

 ジミーさんは30代前半と若く、銀行員を経て実家に戻り就農したそうです。約320haの広大な土地で肉牛約400頭を飼育しています。オーガニックビーフです。他にも、豚2頭、ヤギ数10頭、にわとりなどがおり、B&Bの食材として使われたり、直売されています。(ここでは冷凍の状態でヤギ肉を買うこともできます。)国も規模も違えども、若くて意欲ある前向きな生産者との出会いからはいつも刺激をもらいます。

 さて、今日から3泊はこれまでのB&Bとは違うスタイルのセルフケータリングという自炊型の施設に宿泊します。キッチン付きの部屋で、食事提供は一切ありません。そこで、まずファームショップで食材の買出しをした後に、約50km離れた本日の宿Gorwell Farmへ向かいます。